少し前に逝ってしまった猫の「シャータ」は、我が家で16年一緒に過ごした家族でした。
私は、現在44歳の専業主婦です。この家に16年前に引っ越してきてすぐにシャータもやって来ました。捨て猫なのか迷い猫なのか、シャータだけ家の庭でか弱く鳴いていたのです。近づくと一定の距離をとり、こちらを見ている状況が続き主人と二人でやっと捕まえることができました。
痩せてて悲しそうな顔をしていて、キャットフードが無かったので牛乳をあげたのですが飲まないので、急いでキャットフードを買いに行ったのです。買いに行く時に、近所の方に何処かの家の猫じゃないかと聞いたのですが飼い主はいなそうだったので、その日からシャータが我が家の一員になりました。
シャータは、恐がりな仔で家の中と庭だけがテリトリーで、窓から外を眺めているのが大好きです。
ご飯は、少食でカリカリが主でたまにカニカマやウェットフードを食べてました。人間が食べるものは、あまり興味がないらしくほとんど欲しがらなかったのですが、マグロのお刺身だけはマンツーマンで側につかれ頂戴って顔をされていました。人間のものは良くないと解っていながら、ついマンツーマンが可愛すぎてあげてしまう私でした。
シャータは、私がおトイレに行くときでも、二階に洗濯物を干しに行くときでも、お風呂に入るときでも、いつでもついてきました。洗濯物を干し終るのをじっと待っていて、終わって私が声をかけます。「シャータ、終ったよ。」「ニャニャン。」ここから、シャータは隊長になります。二階は三部屋とホールになっているのですが、シャータが尻尾をピンと立てて私の前を「ニャーニャー。」
と、声をかけながら歩きます。
三部屋全て行き、ベランダに出て外の空気の匂いを嗅いで目を細めながら嬉しそうにします。一通りシャータ隊長の見回りが終わると、大好きな息子の部屋に行き寝始めます。これが、毎日のシャータの日課でした。
夜は、必ず私と一緒に寝ました。たまに、やることがあって夜中の1時を過ぎてしまうと、私の近くでベッドに行くのを待っていたシャータは「ニャーニャニャ。」と、怒ったように鳴きます。
まるで寝る時間だよ!と教えに来ているみたいでした。
また、私と主人はあまり喧嘩はしないのですが、一回大声で喧嘩したことがありました。その時は、シャータが大声を出した主人に向かって「ニャーニャーニャー。」と、いつもより強い声で抗議しているように鳴き始めたのです。私達はシャータに謝って、その後は冷静に話し合いができました。
本当にいつも一緒に居てくれて、出掛けるのが可哀想に感じるぐらい寂しがりやの猫で、話しかけるとニャーと返事をしてくれる優しい猫でした。叶わないことですが、もう一度シャータを抱きしめたいです。