ロボロフスキーハムスター という種類でハムスターの中でも一番小さい種類です。

子どもの頃からペットを飼ったことが無かった私ですが、結婚し、息子が小学1年生の時、当時私は30歳、職場の同僚から「ハムスターをもらってくれないか?」と頼まれまれたことがきっかけで人生初ペットを飼うことになりました。ハムスターは繁殖力が高いようでその同僚は「とてもうちでは飼いきれない」と嘆いていたので人助けのつもりで引き取りました。

ロボロフスキーハムスター という種類でハムスターの中でも一番小さい種類です。片手の手のひらにすっぽりと収まります。薄いグレーのふわふわの毛に包まれた身体と、真っ黒でちっちゃなビーズのようなおめめが、愛らしくてたまりません。息子もすっかり虜になり「キョロ」と名付けました。専用のケージと寝床にするチップ、餌を用意しリビングで飼うことにしました。

エサはまずは定番のヒマワリのタネ。 両手でタネをつかみ小刻みに口を動かしながら頬張る姿には本当に癒されます。時々小さくちぎったキャベツを与えると喜んで食べていました。身体が最少な分、糞も小さいのでお手入れが楽でした。

困った事はというと、このロボロフスキーというハムスターは触られるのを嫌う性質で、手のひらにちょこんと乗せるなんていうことは一度もできませんでした。とにかく動きが素早く、何度ケージの隙間から脱走したかわかりません。小さくすばしこいので見つけても捕獲するのに大変な労力を使いました。

ある日またケージからいなくなっていて、部屋中の隅や物陰を探したけれどまったく見つかりません。出勤時間ぎりぎりだった私は玄関であわてていつもの靴に右足を入れた瞬間・・・「むぎゅっ」と何か柔らかいものを踏んだ感触が・・・「あっ!!まさか!」もう半泣き状態で恐る恐る靴から足を抜くと、、、靴先の奥に居ました! キョロが!!幸い無事で元気な姿のままでした。すぐに捕獲しケージに戻し、ケージの隙間を出来る限り埋めるようにしました。本当に無事で良かった! あの時キョロを踏んでしまった感触は今でも覚えています。

そうして世話を焼きながら我が家の一員となったキョロ。夜行性なので夜になると、はそれはそれは元気に動き回ります。私たち家族は2階の寝室で寝るのですが、1階のリビングで滑車を全力で回る カラカラカラという音。最初の頃こそ「元気に遊んでるね」と微笑ましく思いましたが、毎晩毎晩続くとさすがに睡眠不足に悩まされリビングの、さらに奥の和室に移動させたこともありました。

そんなキョロが我が家に来てからちょうど2年目の秋の朝、息子が「キョロが、動かないよ」と、ハムスターの寿命は約2年と聞いていましたのでとうとうその時が来たのだと思いました。泣きながらきれいに体を整え庭の隅に小さな小さなお墓をつくりました。

あんなに小さく、鳴き声も出さないけれど大切な生き物、我が家の一員だったキョロ、楽しい時間をありがとうと家族で手をあわせました。

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